足場とは?構造別にわかる足場の種類
―本足場・一側足場・棚足場・吊り足場まで徹底解説―
出典:ダイサン
建設現場で使用される「足場」は、作業者が安全に作業を行うための仮設構造物であり、建築・土木工事の品質と安全性を左右する重要な設備です。しかし一口に足場と言っても、現場条件や工事内容に応じて「どの構造の足場を選ぶのか」が大きく変わります。
本記事では、建設現場でよく使われる足場の種類を構造別に整理し、本足場・一側足場・棚足場・張り出し足場・吊り足場・移動式足場(ローリングタワー)の特徴と違いを分かりやすく解説します。
Contents
1.足場の種類を構造別に理解する重要性
足場には「材質別(枠組・単管・くさび式)」の分類だけでなく、構造別の分類があります。構造別の特徴を理解することは、以下の理由で非常に重要です。
- 現場条件(狭い・高い・障害物の有無)に適した足場を選ぶため
- 安全性・作業性を最大限に確保するため
- 法令・指針に適合した施工を行うため
- コストと効率を最適化するため
ここからは、建設業界で使用される主要な足場の構造別分類を詳しく解説します。
■本足場・二側足場

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本足場・二側足場(にそくあしば・ふたかわあしば)は、建物側(前踏み側)と外側(後踏み側)の両方に建地(支柱)を二列設置し、その間に作業床を設ける構造の足場です。
前後の支柱の高さが異なる場合は二側足場と呼ばれ、外壁工事・内部工事など幅広い現場で採用されています。
本足場の特徴
- 建地が二列あるため高い安定性を確保できる
- 作業床の幅が広く、安全性・作業性に優れる
- 外部足場・内部足場として原則的に採用される
- 高さのある建築物の通常工事に最も適した構造
外壁塗装・改修・大規模修繕工事などでは、本足場の採用が義務づけられるケースが多い重要構造です。
【法改正】2024年4月施行「足場からの墜落防止措置の強化」
2024年4月(令和6年4月1日施行)より、労働安全衛生規則が改正され、本足場に関する重要な規定が追加されました。
幅が1メートル以上の場所では「本足場」が原則義務化
足場を使用する場所の幅が1m以上の場合、一側足場は禁止され、原則「本足場」の使用が義務付けられました。
これは、一側足場が
- 墜落防止措置を取りづらい
- 手すり設置が難しい
- 転倒リスクが高い
という課題を抱えるためです。
■一側足場
一側足場(いっそくあしば・ひとかわあしば)は、建地(支柱)を一列のみに設置する構造の足場で、敷地が極端に狭い現場など、本足場が組めない場合に採用されます。
一側足場の特徴
- 建地が一列のため省スペースで組める
- 建地(支柱)に持送り枠(ブラケット)を取り付け、その上に作業板を設置する「ブラケット一側足場」、建地(支柱)に直接作業床を設置する「布板一側足場」などタイプがある
- 安定性は本足場よりも低い
- 墜落防止・落下物防止設備の設置が難しいケースもある
狭小住宅・道路に面した建物・古い街区の密集エリアなどで用いられますが、安全対策の計画が非常に重要です。
■棚足場(ステージ足場)

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棚足場(たなあしば)は、天井工事や内部仕上げ工事、配管作業などで使用される「作業床を広く敷き詰めた足場」です。
棚足場の特徴
- 天井工事で非常に効率が良い
- 柱が邪魔にならず、多人数が作業可能
- 体育館・ホール・劇場など大空間工事で多用
- イベントステージとしても活用できる
内部足場の代表格として幅広く使用されています。
■張り出し足場

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張り出し足場は、建物の構造体に強固に固定した張り出し材(鉄骨などで構成される大型ブラケット状の部材)を外側に突き出し、その上にH形鋼や足場板などを設置し、その上に足場を組む構造です。
張り出し足場の特徴
- 地面に建地を設置できない場所でも設置可能
- 車両通行スペース確保や建物下の空間確保に有効
- 張り出し材やアンカー部の強度検証がとても重要
大規模修繕工事や地面に障害物がある工事で用いられますが、張り出し材が足場全体の荷重を支えるため、十分な強度検討が求められます。
■吊り足場

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吊り足場(つりあしば)は、建物や橋梁などの構造体から吊り下げて設置する足場で、地面や床から足場を建てられない工事で使用されます。次の種類に分類されます。
吊り棚足場
橋桁などの下に吊り下げられ、作業床を敷き詰める足場です。
吊りチェーンの設置間隔や本数などの強度検討、組立・解体作業の安全な手順など、十分な検討が必要です。
吊り枠足場
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)の型枠作業に使用されるタイプや、S造(鉄骨造)の溶接やボルト本締め作業に使用されるタイプがあります。建て方作業前に地面上であらかじめ鉄骨に設置されることが多いです。
■移動式足場(ローリングタワー)

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移動式足場(ローリングタワー)は脚輪(キャスター)付きの可動式足場で、内部工事や軽作業で多く使用されます。
厚生労働省「移動式足場の技術上の指針」では、
- 作業床の高さ
- 積載荷重
- 転倒防止対策
- 使用できる環境条件
などが詳しく定められており、これに沿った施工・使用が必要です。
2.足場の構造別特徴を理解することが安全な仮設工事につながる
本足場・一側足場・棚足場・張り出し足場・吊り足場・移動式足場など、足場の種類は多岐にわたり、それぞれ構造と用途、安全性が大きく異なります。
足場を正しく選ぶことは、
・現場の安全性
・作業効率
・施工品質
・工期
・コスト最適化
につながる重要な判断です。
私たち足場メーカーとしては、今後も安全性・効率性・生産性を高める構造を追求し、現場に最適な足場ソリューションを提供していきます。