くさび緊結式足場が選ばれる理由
―枠組足場・単管足場との比較でわかる「強み」と「価値」―
出典:ダイサン
近年、建設現場でくさび緊結式足場(クサビ式足場)を見かける機会が急速に増えています。住宅工事はもちろん、低層・中層のビル工事まで、幅広い現場で採用されるようになりました。
かつて建設現場の主役だった枠組足場・単管足場に代わり、なぜくさび緊結式足場(クサビ式足場)がスタンダードになってきたのでしょうか。
本記事では、
- くさび緊結式足場とは何か
- これまで主流だった枠組足場・単管足場の特徴と課題
- くさび緊結式足場が選ばれる理由(施工性・作業性・効率性・拡張性)
を、足場メーカーの視点からわかりやすく解説します。
Contents
1.くさび緊結式足場とは

出典:ダイサン
くさび緊結式足場は、緊結部が溶接された専用部材同士を“くさび”で打ち込んで組み立てる構造の足場です。
- 支柱(支柱パイプ)
- 布材(水平材)
- 床付き布枠(踏板)
- ブラケットなど
専用部材をハンマーで打ち込むだけで固定できるため、施工スピードが速いことが最大の特徴です。
現在では、低層住宅、アパート・マンション、中層ビル、内部足場など、用途を問わず広く使用される「最も汎用性の高い足場」と言えます。
2.枠組足場・単管足場のメリット・デメリット

くさび緊結式足場が普及する前、建設現場の2大スタンダードは枠組足場と単管足場でした。それぞれ優れた点がある一方で、現場の変化(安全性向上・省力化・施工効率)に対応しにくい面もありました。
■枠組足場の特徴(メリットとデメリット)
メリット
- 建枠+ブレースで構成されるため強度が高い
- 大型建築物やシンプルな形状の建物に適する
- 原則高さ45mまで対応可能
デメリット
- 部材が大きく重いため、一度に運べる量が限られる
- 搬入・搬出に広い通路が必要
- 枠材は重ねて置いても嵩張り、保管効率が悪い
- 1層高さが1700mm程度と低く、通行性が悪い
- 複雑な躯体形状に合わせて組むのが難しい
■単管足場の特徴(メリットとデメリット)
メリット
- 足場用鋼管(単管)と緊結金具(クランプ)で構成されるため
作業床の高さ・建地間隔など形状の自由度が高い - 複雑な建物形状に強い
デメリット
- 緊結金具(クランプ)締め作業が多く、施工に時間と手間がかかる
- 精度・仕上がりはは職人の技量に依存しやすい
- 足場の水平・垂直レベル精度の確保が難しい
- 強度検討が必要で安全管理が複雑化
3.くさび緊結式足場が選ばれる理由

出典:ダイサン
従来の足場のメリットを活かしつつ、現場が抱える課題(安全・効率・省力化)を解消したのがくさび緊結式足場です。
以下では、「施工性」「作業性」「効率性」「拡張性」の4つの観点から、その強さを解説します。
■施工性:ハンマー1本でスピーディーに組める
くさび緊結式足場は、ハンマー1本でスピーディーに組むことができ、施工性の向上が期待できます。
- くさびをハンマーで打ち込むだけで緊結できるため、
作業手順が単純化され、省力化に直結 - 部材がコンパクトで軽量なため、狭い現場でも取り回しやすい
- 専用部材によるシステム化された構造のため、
作業手順が分かりやすく、品質が安定しやすい
さらに、くさび式足場には軽量な専用の「先行手すり」があり、手すり先行工法を安全に実施しやすいという安全面の強みもあります。
■作業性:通行性が高く、作業負荷を軽減
くさび緊結式足場の1層高さは、1800mmタイプ・1900mmタイプがあり、枠組足場より10〜20cm高いため、作業性の向上が期待できます。
- 作業姿勢がラクになる
- 材料の持ち運びがしやすい
- 現場での通行性が向上
さらに、作業床の高さは「コマ」単位で調整でき、
作業内容に最適な高さに設定できる点も現場に評価されています。
■効率性:輸送・搬入・保管が圧倒的に効率化
くさび緊結式足場は部材がコンパクトで軽量なため、以下の効果が期待できます。
- トラックの積載効率が高い
- 現場の仮置きスペースを節約できる
- 資材置き場での保管も省スペース
- 搬入・搬出作業が早くなる
施工だけでなく物流面でも高い効率を発揮します。
■拡張性:様々な現場条件に対応できる柔軟な足場
くさび緊結式足場は「サイズのバリエーション」と「オプション部材」が非常に豊富で、様々な現場条件にフレキシブルに対応できます。
- 狭小敷地の住宅
- 変形した躯体
- 内部吹き抜け
- 商業施設の複雑な形状
また、棚足場(ステージ足場)、移動式足場(ローリングタワー)として利用可能で、現場用途に応じた幅広い使い方ができます。
4.くさび緊結式足場は現代の建設現場に最も適した足場

出典:ダイサン
くさび緊結式足場は、
- 施工がスピーディー
- 作業がしやすい
- 運ぶのがラク
- 安全対策と相性が良い
- どんな現場形状にも対応しやすい
という総合力の高さから、枠組足場・単管足場に代わって、様々な現場に広く浸透しています。
建設業界が求める「安全・効率・省力化」を高いレベルで実現する足場として、
今後も採用がさらに広がっていくことが期待されています。