使用部材別に分類した4つの足場の特徴と選び方
―足場の種類を徹底解説―
出典:ダイサン
建設現場では、目的や建物の形状、作業内容に応じて最適な足場を選ぶ必要があります。足場は「どの部材を使うか」によって構造や性能が大きく変わるため、種類ごとの特徴を理解することが、安全で効率的な施工につながります。
この記事では、足場を使用部材別に4種類に分類し、それぞれの特徴や使い方、利点と注意点をわかりやすく解説します。
1.足場の種類は大きく4つ
足場は使用部材によって、次の4種類に分類されます。
- 枠組足場
- 単管足場
- くさび緊結式足場(クサビ式足場)
- 丸太足場
それぞれ構造・仕組み・強度・施工性・用途が異なるため、現場の条件に合わせた選定が非常に重要です。
■枠組足場とは

枠組足場は、門型に溶接された鋼製フレーム(建枠)と、交差筋かい(ブレース)、床付き布枠(踏板)などを組み合わせて構成する足場です。中層・高層の外部足場を中心に、内部足場としても広く使われています。
枠組足場の主な特徴
枠組足場は、溶接一体型の建枠とブレースを組み合わせることで高い強度を確保します。溶接構造の枠材とブレースを組み合わせることから強度が大きく、建枠1本あたり約2トンの荷重を支えることができます。標準スパンは、インチサイズで1829mm、メーターサイズで1800mmとなっており、原則45mの高さまで対応可能です。
ただし、層高(1層の高さ)は
- インチサイズ:1725mm
- メーターサイズ:1700mm
と比較的低く、通行性は高くありません。
また、溶接一体型であるため複雑な建物形状に追従しにくいという弱点があります。
主要部材の構造・強度は「鋼管足場用の部材及び附属金具の規格」で細かく定められています。
■単管足場とは

単管足場は、足場用鋼管(単管)と緊結金具(クランプ)、持ち送り枠(ブラケット)、足場板などを組み合わせて組み立てる足場です。自由度が高く、低層〜中層の建物や特殊形状の現場で多く採用されてきました。
単管足場の主な特徴
単管足場は、建物の形状に合わせて建地の位置や布の高さを柔軟に設定できます。ただし、組立には手間と時間がかかり、施工精度は職人の技量に大きく依存します。
足場の強度は、建地(縦の支柱)の許容支持力が基準となります。以前は31mを超える場合、建地の2本組補強が必須でしたが、2015年(平成27年)の労働安全衛生規則改正により、強度検討で強度に問題ないことが確認できれば2本組補強は不要となりました。
枠組足場と同じく、主要部材の規格は「鋼管足場用の部材及び附属金具の規格」によって管理されています。
■くさび緊結式足場(クサビ式足場)とは

出典:ダイサン
くさび緊結式足場は、緊結部付きの支柱・布材・床付き布枠(踏板)・ブラケットなど、緊結部があらかじめ溶接された専用部材を用い、ハンマー1本で組み立てる足場です。戸建住宅から中層建物まで幅広く使われ、現在最も普及している足場の一つです。
くさび式足場の主な特徴
- 1層高さは1800mmまたは1900mmと枠組足場に比べて高めで通行性が良い
- ハンマーでくさびを打ち込み緊結する構造のため、組立・解体が迅速
- 専用部材により一定品質が保たれ、施工者の技量によるバラつきが出にくい
- さまざまな部材を組み合わせ、複雑な建物形状にも対応しやすい
単管足場と同様に、31mを超える場合、建地の2本組補強が必須でしたが、2015年(平成27年)の労働安全衛生規則改正により、強度検討で強度に問題ないことが確認できれば2本組補強は不要となりました。
主な部材の構造や強度は「一般社団法人仮設工業会」が認定基準を制定しています。
■丸太足場とは

出典:Adobe Stock(1686046034)
丸太足場は、建地・布に丸太材を使用し、番線(なまし鉄線)で固定して組む伝統的な足場です。現在は、低層用工事足場(主にリフォーム工事)の一部で使用されています。
丸太足場の主な特徴
作業床を設けず、布の丸太を2本使って建地を挟み、その丸太を作業床代わりに使う「抱き足場」として使われること多いです。
しかし、丸太の内部の腐食が外見では判断しづらく、安全性の確保が難しいため、近年は使用が減少しています。
2.まとめ

出典:ダイサン
足場は、使用する部材によって性能や扱いやすさが大きく変わります。
枠組足場・単管足場・くさび緊結式足場・丸太足場——それぞれの特徴を理解し、現場の規模、建物形状、工程、安全性、コストなどを総合的に判断して、現場に最適な足場を選ぶことが安全性と施工品質の向上につながります。
足場メーカーとして私たちは、これらの足場の特性を踏まえながら、より安全で効率的な資材の開発を進め、建設現場の未来を支えていきます。